うなぎ no たまご

45歳でキャリアウーマンを捨てて、女将を目指す

たまごになりたい・・・

ここは、新橋の路地裏。

日本の最高峰、〇兆本店や金〇中…敷居の高い料亭が立ち並ぶ…

 

鞄は、ノーブランド。中には今月2通目の履歴書。

証明写真は、あわてて駅のアレで格闘して撮影。なんといっても、面接までこぎつけるだけ、幸運なのだから。

 

カルガモのお引越しで有名なオフィス街での財団法人勤務から始まり、全国を飛び回る設計事務所に勤務するも社長の愛人女デザイナーから嫌われて、更新契約でまさかの年収を大幅にカット。たどり着いた今の職場は、まさかの財団法人。

公務員でもない財団法人という団体は、どこもだいたい共通。オウンルールでガチガチ、しかもやることはアナログ。名だたる大企業からの出向の集団で、居場所がなく流されてきたのではないか?オーラでゆらゆらしている人ばかり。とはいえ、自分も社会人として、いろいろな立場の人と一緒に仕事をしてきた。そんな、他人から見ればおばさん扱いされる自分が、たどり着いた結論。

 

人生の最後までまっとうできる仕事につく。

今、その面接に向かう途中。すれ違う芸者さんが、大事そうに三味線を抱えて道を急いでいる。バケツをひっくり返したような土砂降りの夜だった。